平成23年度 第7回 新人セラピスト教育研修 -実績報告-
テーマ: 姿勢の評価~脳卒中の座位姿勢を中心に~
脳卒中片麻痺の座位姿勢の評価を中心に、どのように姿勢をみていったらよいかを解説します。
講師の今まで行なってきた研究から、エビデンスをもとに展開する評価ですので、経験を伴う細かな動作分析とは一味違います。初心者の方やSTの方などで、動作分析がむずかしいなあと感じている方のきっかけづくりとしてお勧めします。
※本研修会は入職1~3年目のセラピストを対象として企画しています。
開催概要
開催日: 平成23年12月8日(木)
会 場: 介護老人保健施設イマジン
参加人数: 88名
講 師: 木野田 典保 先生
(永生病院 リハビリテーション部 教育士長)
内容
【1. 姿勢を評価する上での基本的な考え方】
重要な評価・観察点(MIDLINE / SYMMENTRY / PATTERNS / BASE OF SUPPORT)
姿勢(体幹・四肢の位置を適切に保持する過程)と運動(身体を動かす過程)
筋緊張の分類(Hypertonia / Hypotonia)
【2. 右片麻痺者と左片麻痺者の座位姿勢の違い】
右片麻痺群では、麻痺側股関節内転筋に痙縮を出現させるような過剰な活動が予測される。
【3. 右片麻痺者と左片麻痺者の座位姿勢の重心位置による違い】
右片麻痺群では、非麻痺側大胸筋に痙縮を出現させる要素がある。
【4. 体幹の台形的対応と平行四辺形的対応による座位姿勢の特徴】
台形的対応群では、股関節を内転しカウンターウェイトとして使用。
平行四辺形的対応群では、股関節を外転し支持基底面を広げるようなかたちで対応。
【5. 体幹の回旋の相違による違い】
体幹の回旋や捻れを作り出している要因は、体軸の変位と、非麻痺側・股関節における屈曲・内転に抗する高緊張に由来する制限因子による。
【6. 実技】
感想
- 実技でできたのが実感できて良かったです。
- 左利きのデータもあると幸いです。ありがとうございました。
- いろいろな姿勢のタイプを図で分かりやすく、解説していただいたのでとても参考になりました。
- 今回の勉強会を機に、動作分析をしっかりしていきたいと改めて思いました。
- なぜ、その姿勢になるのか、緊張が高くなるかもう一度考えながら患者様をみていきたい。
- STでは姿勢について学ぶ機会が少ないため、今回の研修を機に姿勢について学び、訓練中の姿勢を良くすることで、ADL向上、身体機能向上への貢献ができればと思いました。
心に残った一言
「エビデンスをもとに展開する評価ですので、経験を伴う細かな動作分析とは一味違います。」