平成21年度 第4回 新人研修プログラム -実施講習会等の概要-
テーマ: 明日から始められるシーティング
開催概要
開催日: 平成22年2月10日(水)
会 場: 永生病院 リハビリ室
参加人数: 25名
講 師: 岩谷清一先生
(永生会 法人本部リハビリ統括管理部
教育担当係長 作業療法士)
内容
1.永生会におけるシーティング・クリニックの目的
・身体機能・生活環境に適した座位保持姿勢を提供するための、
入院から在宅までの一貫した車いす適合サービスの構築。
・シーティングクリニックの流れ
・必要性の判断⇒アセスメント・シートの作成⇒適合の実施⇒
試用⇒再評価⇒レンタル・購入/再適合
2.車いす適合の考え方
・評価の視点: 端座位―臥位―車いす座位
・端座位での評価: Hofferの分類
1.手の支持なしで可
2.手の支持ありで可
3.座位不能
・マット上臥位の評価:
基本肢位、腰部・骨盤の可動性、股・膝関節屈曲(⇒車いす種類選定)
・身体寸法の計測:
臀部の幅(座幅)、臀部後縁-膝窩(座奥行)、靴底-膝窩(座-フットサポート)、
座面-膝頭(アームサポート長)、座面-肩甲骨下角(もしくは肩峰)(バックサポート長)
・選定・適合:
目標とする座位姿勢の再現、身体寸法の測定値を目安とした調節、
試乗中の生活場面の評価、圧計測
・車いす座位能力分類にあわせた車いす・クッションの選び方
3.明日から始めるシーティングのヒント
個人専用の車いすを設定する。デモ品を借り結果のフィードバックをする。
病棟スタッフを巻き込む。物品の導入方法を考える。仲間を増やす。講習会等への参加。
4.症例報告
・4例 褥瘡治癒 機能回復 在宅復帰支援 生活圏の拡大
5.モジュラー型・ティルト・リクライニング型車いす製品のプレゼンテーション
(協力企業: 日本オートランニングシステム(株)、フランスベッド(株)南多摩営業所、
(株)ハートウェル相模原店、(有)十字会ケアステーション の各社様)
感想
- 車いす座位姿勢の重要さを認識しながらも、シーティングまでできていないのが現状でした。クッションの検討や部位調整を行ってより患者さんが過しやすい環境を作っていきたいと思いました。
- 改めてシーティングの大切さを実感しました。自分だけでなくまきこむ発想が大切だとよくわかりました。
- どうしても施設での金銭面での協力が得られない状況です。理事等の意識を変えることも大切だと思いますし、人に車いすをあわせることも本当に大切なことだと思いますが、現実をみると少々あきらめてしまう所も正直あります。
- 離床時間の延長がシーティングにより図れるという具体的な話を聞けたので明日より試みていきたいと思います。
- デモを混えてわかりやすかった。説明の仕方も丁寧で理解しやすかった。シーティングの理解と同時に考え方を浸透させることが重要だと思いました。
- シンプルな内容を時間をかけて経験することができました。
- あまり自分で勉強しない分野なのでとても勉強になりました。
- わかりやすくシーティングを学ぶことができありがとうございました。
- 車いすの種類も含めて知識が必要と思いました。
- シーティング・クリニックの活動・運営を参考にさせて頂きます。
- 新しい車いすがみられた良かったです。またとてもよい復習となり、エネルギーも得られました。
- もう少し開催時間が遅いほうがありがたい。
- 夕方でもあり実技が多いほうがよい。